「スゴブロ10周年目のごあいさつ」

《90年代末、そこにはまだアマゾンもiPodもグーグルもウィキペディアもなかった》

これは堀井憲一郎さんの新書『やさしをまとった殲滅の時代』の帯コピーです。こうやって言われると改めて思いますが、インターネットを取り巻く環境は、随分変わったんですよね。

ブログ界隈に目を向けても、そうだと思います。Twitter、Facebook、スマートフォン。こういったものの登場で、ブログへの誘導や、その読まれ方、書き方もだいぶ変わりました。

面白いブログも見つけにくくなったなぁと感じています。

ここ数年「はてなブックマーク」が、スゴブロの選出にとても役だっていました。１年の間、はてブの「人気エントリー」をなんとなくでも見ていると、個人ブログから発信された面白い記事が目に付き、それをブクマしておけば、ベスト20のうちの半分くらいは面白いものが集まったのです。

それがここ数年、とくにこの一年は顕著だと感じましたが、あまり個人のブログが目につかなくなりました。以前は、個人ブログの記事がいくつもあったはずなのに、今そこにあるのは、まとめサイトやニュースサイトの記事が大半になったのではないでしょうか。ネット界でも「個人店よりもチェーン店が目立つようになった」のかもしれません。まあ、個人で発信するブログの数そのものが減っているのかもしれませんが。

また、個人的な話になりますが、僕も仕事の主体を編集から執筆にシフトしたこともあり、能動的にブログを見回って面白いものを探す時間が減ってしまいました。

こういった要因もあって、今年はオールタイムベスト20という形になってしまったというのが、正直な事情です。今年は、今までのようにできなかったなぁと少し寂しい気持ちでいる10年目のブログの日、２月６日なのでした。

このスゴブロ、来年以降どうするかは、まだ決めていません。また同じように始めるかもしれないし、別のものをランキングしているかもしれないし、ただ単に座談会だけやるかもしれないし、そのあたりは未定ですが、また何かを始めた折は、おつきあいいただけましたら嬉しいです。では。

岡部敬史