週刊誌時評

ここでは週刊誌から話題の情報をピックアップしてご紹介します。みなさんが週刊誌に親しみを覚え、社会問題に関心を抱くきっかけになれば嬉しいです。主におじさん週刊誌を紹介しますが、柔らかくしているのでちびっ子も安心です。月曜・火曜・木曜に更新予定です。

週刊誌時評『週刊現代』(3.15)

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今日は『週刊現代』。主な記事はこちら。

①ロス疑惑ふたたび"無罪"60歳は、また刑務所か
②江原啓之「いままで話せなかった事実をすべて話します」
③政治ワイド 福田イージス政権の断末魔
④清原和博の妻がカリスマ主婦にとってかわる家庭の事情
⑤緊急オピニオンワイド ニッポンのマナー、これは許せない 私のなかの『斉藤さん』


まず①は、三浦和義逮捕を受けて。しばらくこのネタは週刊誌を席巻しそうですなぁ。んで、この特集の目玉は某実話誌の副編集長が書いた「独占手記『素顔の三浦和義』」。ま、記事的には、いっしょに飲みに行ったときの三浦さんは、やっぱりかっこよかったよ~といったもので、ま、特に感想はないけど、こういうのって実話誌の副編なら自分の雑誌に書けばいいのになぁ。ま、いいか。
②は、江原さんが、昨今のバッシングに答えてという企画。個人的に、この江原さんが何をしようか何を反論しようが何の興味もないですが、なぜ『週刊現代』だけが、江原寄りの立場を取り続けるのか、そこだけに興味があります。どっかの週刊誌、そのあたりを調べてもらえたら~。
③は、与党叩き記事ですかね。また、小泉新党の話が出てたけど、この展開はもう飽きた。小泉さんが「俺と前原が会うときがあれば、それは政局だ」と言ったらしいとか、対する小沢さんも平沼さんとの連立を画策しているとかそんな話。ふーん。
④もふーんネタ。清原の奥さんが『STORY』の表紙モデルになった顛末などを予想してるけど、ふーん。
んで、今号のメインはやっぱ⑤。このタイトルに出てくる「斉藤さん」というのが、何なのかまったく誌面で説明してないけど、現代サイドはこれでオッケ? たぶん同名のドラマでこの斉藤さんというのが、とかく正義感が強く世の不正に黙っていられないということにかけているんだと思うんだけど、それってそんなに共通認識ですかね?普通リードあたりで説明すんだろよ~。と、こんなところにもツッコミを入れてしまいましたが、この号では、いろんな人がいろんなところにツッコミをいれてます。ざっとこんな感じ。

①姜尚中「"KY"こそが正しい異文化コミュニケーション」
②溝口敦「満員電車"手で押し込んでムリヤリ乗車"にレッドカード」
③勝谷誠彦「飛行機"優先搭乗"でガキをつけあがらせるな」
④桂南光「マナーなき大阪人、でもそれでええねん!」
⑤アダム徳永「マル秘ウォーキングで脱セックスレス」
⑥岩佐真悠子「男子はもっと"ナンパのマナー"を磨けっつーの!」
⑦井筒和幸「一方的な禁煙こそマナー違反ちゃう?」
⑧小林亜星「家族は一緒にメシを食え」
⑨森上展安「中学受験の"作法"は学校を大切にすること」
⑩疋田智「"走る凶器"マナーレス自転車に物申す」
⑪斎藤環「"ひきこもり"こそ正しい生存マナーだ」
⑫阿曽山大噴火「私が判決を下したい"法廷のトンデモマナー"」
⑬梨元勝「"できちゃった婚"は芸能人のマナー違反だ」
⑭川口マーン惠美「マナーの国から見たら日本はいまだ"男尊女卑"」
⑮中島義道「"騒音漬け"日本社会と私は闘い続ける」
⑯諸井克英「若者よ、ケータイメールで人の心は読めないぞ」
⑰坪内祐三「"酒飲みマナー"なんて昔の話ですか?」
⑱山岸俊男「いまこそ、"商人のマナー"を学べ!」
⑲宮島英紀「パワハラよりも悪質"スモハラ"を許すな!」


いっぱいあったでしょ(笑)。んで、雑誌というのはこれからは単なる情報では絶対に生き残れないので、こういった"意見"で構成することは、とても大切だと思うっす。ふむ。んでもまぁ、意見なので「そうそう」と思うところや「そうかなぁ?」と思うところなどいろいろ。そんななか①について触れてみようかと。
①では姜尚中さんが「"KY"こそが正しい異文化コミュニケーション」と題して日本人をこんな風に評しています。

「口に出さずともわかりあえる」という暗黙の了解が成立する人間関係に閉じこもり、わかりあえない人間は輪から外す。<中略>日本人は、その暗黙のマナーを、他の社会や国に属する人には理解できないという思い込みを持っています。<中略>暗黙のコミュニケーションを身体感覚として学ぶには、10年以上日本にいてやっとというところです。


要するに日本は「空気読め」とか、よくわからないコミュニケーションをしてて外国人からするとわかりにくいんだよ~と言っておられるわけですね。グローバル化した現在、こんなことでいいのかと。んなら、どうして欲しいのか。

「暗黙の了解」を美徳とするマナーは世界に出れば、通用しない。そこから脱し、言葉をつくして説明する欧米的なマナーを会得すべきです。相手と意見が食い違っても、あえて「空気」を読まず、イチから言葉のやりとりでコミュニケーションしていく。それが真の異文化理解につながるし、国際社会で生き抜いていけるコミュニケーション能力なのです。


まー、そだな。例えば、自分が商社マンや外交官で、外国に赴いてビジネスをする必要があるなら、こういった能力は身につけるべきでしょうね。でも、日本人全体が、従来の日本人が持つ「間」みたいなものを捨て去って国際感覚なんぞ身につける必要はないと思いますねー。僕は。
最近よく思うのは「便利なことはそんなに正義なのか」ということです。「わかりやすいということは、そんなに正しいのか」ということです。例えば、田舎に旅行すると、民宿のおばちゃんは、最初は無愛想に見えるけど、二晩くらい泊まるうちに打ち解けてきて、すごく仲良くなって、帰るときはお互い涙~ってことがありますよね。こういうのって、便利で洗練されたサービスの場ではないでしょう。

姜さん自身も「暗黙のコミュニケーションを身体感覚として学ぶには、10年以上日本にいてやっとというところです」と書いてますが、こういうところが日本の良さなんじゃねーのかと思うのです。ハリウッド映画ってわかりやすくて、子どもも楽しめるけど、そんな映画ばっかりだったら僕は嫌だ。最初はよくわからなくても、見ていくうちに、自分が成長するうちに「あー。そういうことだったのか」と思えるものが、文化の深みというものでしょう。音楽で、最初に聞いて「あ。いいな」と思うものって、往々にしてすぐ飽きる。今でもずっと聞いている曲って、初めて聞いたときは「わけがわからん」と思うものです。
そう。便利とかわかりやすいって、薄いとか表層的であることにちょっと似ている部分がある。だから、欧米がわかりやすいからといって日本があわせる必要などないんです。そこが日本の良さなんだから。
便利がいいなら、世界中同じ言語を話せばいい。でも、そんなの絶対に嫌でしょ。エスペラント語でしたっけね。そういう世界言語を目指すものに、各国の文学などを表現できるわけもないんです。
要するに、外国からの「便利」とか「わかりやすい」という「グローバルスタンダード」に乗せられて、日本らしさを無くすのは、僕はとても愚かなことに思えるんですよねー。だいぶ話がそれたけど、僕は最近こんなことを思っております。

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