週刊誌時評

ここでは週刊誌から話題の情報をピックアップしてご紹介します。みなさんが週刊誌に親しみを覚え、社会問題に関心を抱くきっかけになれば嬉しいです。主におじさん週刊誌を紹介しますが、柔らかくしているのでちびっ子も安心です。月曜・火曜・木曜に更新予定です。

週刊誌時評『週刊SPA!』(3.4)

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今日は『SPA!』。主な内容はこちら。

①20~30代 [偽装管理職]のタダ働き地獄
②30歳が予想 [リアルな老後]の平均像
③ビンボー式[モテ☆シャンパン]活用術
④新登場! 地球環境のために[肉を食べない人々]の主張
⑤「ドン・キホーテのピアス」なぜ、レイプ犯罪は被害者を責める意見が罷り通る?


今号は充実。ここに挙げていないモノクロも力入ってて、最近の『SPA!』のなかでは、かなりの出来栄えではないでしょうか。①は、店長を管理職にして残業代などを出さないことで、コナカとかマクドナルドで訴訟に発展している問題について。しっかりルポしてますね。
②は、30歳による老後予測。ま、予想通り悲観的な意見が大半ですが、今のおじいさんたちの「なんとなるよ」というメッセージが楽しげ(笑)。竹熊さんが「オタク老人ホームを作ろう」と提言しているのもいいね。こういう老後について、みんなが真面目に話し合うのは、なんかポジティブでいいかも。
③は、SPA!にしては珍しいシャンパン特集。こういうハウツー的なものは、毎回やると売上げに繋がると思うから、今後もやるといいと思うっすよ。専門誌買うまでもないけど、その概要を知っておきたいものってたくさんあるからなぁ。
④は、肉食が環境問題に大きな負荷をかけるということで、菜食に移行している人たちの主張を聞くという企画。個人的にも、肉食離れしている僕ですが、どうもここで展開されている肉食が悪いという論旨がピンと来なかった。「エコカー買うよりも肉食を減らすほうが環境に優しい」と言われても、なんかボンヤリだなぁ。ま、なんとなく主張としては正しい気がするから、もっと一般向けの論旨構築をしたほうがいいと思うです。はい。あと、なんとなく「ベジタリアン」という言葉に違和感。「最近ベジタリアンなんですよ」と言われたら、なんか違和感ないっすか? それよりも「昔の日本の食生活してるんですよ」のほうがいいと思うな。
んで、今号の注目は⑤。鴻上尚史さんが、先週の『週刊新潮』に「『危ない海兵隊員』とわかっているのに暴行された沖縄『女子中学生』」という記事が掲載されたことを受けて、意見を述べられておられる。曰く、なぜレイプだけが、繰り返し被害者にも問題があると言われるか? 


老人が「振り込め詐欺」にひっかかったとしても、老人を責める論調はまれでしょう。大金を振り込んだ老人に対して、だまされる「スキがった」し、「油断していた」と責める人はいないでしょう。

そしてこうものべておられる。


この『週刊新潮』の記事は、今の所、なんの問題にもなっていません。何十万という中年男性は、なんの疑問もなく読んだのです。それが最も僕を暗澹たる気持ちにさせるのですが、レイプされた被害者が、何十万という週刊誌で堂々と責められる犯罪はただ、レイプだけなんだということを日本人の中年男性は気づいてないのです。


多くの人が注目すべき提言かと思うですね。このように週刊誌や新聞、テレビの報道について自身の感性で「咀嚼する」ということはとても大切。そしてそこで感じたことを、このように疑問として提示されることは、とても有意義だと思うです。やっぱ鴻上さんは素敵です。あと、こういうちょっと重い提言の原稿に対して中川いさみさんが付けたイラストも最高。笑わせながら鴻上さんをしっかりと援護射撃してます。この鴻上&中川いさみの連載は、最高のコンビだと思うですね。文春とか新潮のコラムのイラストって、別にあってもなくてもいいものが多いですが、このコンビは最高です。ずっと続いて欲しい連載。大切にして欲しいですね。

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