週刊誌時評

ここでは週刊誌から話題の情報をピックアップしてご紹介します。みなさんが週刊誌に親しみを覚え、社会問題に関心を抱くきっかけになれば嬉しいです。主におじさん週刊誌を紹介しますが、柔らかくしているのでちびっ子も安心です。月曜・火曜・木曜に更新予定です。

週刊誌時評『SPA!』(4.22)

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今日は『SPA!』。主な内容はこんな感じ~。

①[石原銀行]を踏み倒した人々
②[ガソリン税]をめぐる7つの大疑問
③有名医師が毎日実践![私のとっておき健康法]事典
④坪内祐三×福田和也「これでいいのだ!」事実誤認のトンデモ映画だからこそ、『靖国』を上映してほしい
⑤ドン・キホーテのピアス ある映画の上映中止問題に言いたいこと②

えーと4C特集は、お金得々企画とモテ企画ですが、興味ないので割愛。でも、今号は他がよかった。まず、④と⑤の連載で、ともに映画『靖国』について触れている。

④の坪内&福田対談では、実際に『靖国』のDVDを見ながら解説しているのがよいですね。これ一般の人が見てないのに色々言ってるから、なんかイマイチよくわからない。でも、こうやってシーンを紹介しながらってのはいいね。んで、このタイトルにもある「事実誤認」というのは、映画の中では刀匠が作る「靖国刀」が靖国神社のご神体であるように描いているけど、本当は鏡と剣がご神体であると坪内さん力説力説。「だいたい「日本刀」と「剣」の違いもわかってないんだよ」と力説力説してるけど、なんか読んでいるほうとしては、「へー」って感じで棒立ちしてしまうわ(笑)。できればこの違いをもうちょっと読者にもわかるように書いて欲しかったなぁ。ま、それはさておき、この2人的には、こういう事実誤認もあるこの映画は「トンデモ」という評価のご様子。でも森達也さんとかは褒めてるんねー。んで、この対談の中で一番笑ったのが以下の福田さんのお話。

この映画の上映中止騒動について、唯一まともな意見を述べたのは、田原総一郎でしょ。『週刊朝日』で、要するに、上映中止で「言論の自由」云々と言ってる新聞社やテレビ局は、言論の自由が心配なら自分とこのホールで『靖国』を上映すればいいって。田原総一郎が350年ぶりにいいことを言った。


ダハハ(笑)。これはいいこと言ってますわ。
んで、⑤は、鴻上尚史さんのコラム。先週に続いて『靖国』について書いておられる。先週から書いておられるのは、この映画が国からの助成金で作られたことに対して異を唱えた国会議員に対する反論であります。その議員曰く「政治的に中立でない映画には、助成金を払うのは相応しくない」。けど、鴻上さんはあらゆる作品は政治的に解釈できるとした上でこう述べておられる。「だって、政治的にもめる作品のほうが面白いに決まっているじゃないか。誰にも反発されず、誰の議論も生まないような作品は、機能の飲み残しのビールみたいに気の抜けたものなんだよ」。ふむ。そだな。本当に突出した作品というのは、すぐれて政治的なものであるとも書いておられるけど、これも同感。

オリンピック問題でも議論されるけど、スポーツも芸術も政治というものに極めて近いものなんだよなー。本質的には。芸術とかスポーツが純で無垢であるというのは幻想。甲子園文化が根強い日本に残る幻想ですね。

えーと、あと①は良記事でした。新銀行東京の余りに甘い融資体制が裏社会の人に食い物にされていたというお話。やっぱこういう"商売"は理想論では動かないわなー。そのへんしっかりやんねーとね。

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