週刊誌時評

ここでは週刊誌から話題の情報をピックアップしてご紹介します。みなさんが週刊誌に親しみを覚え、社会問題に関心を抱くきっかけになれば嬉しいです。主におじさん週刊誌を紹介しますが、柔らかくしているのでちびっ子も安心です。月曜・火曜・木曜に更新予定です。

週刊誌時評『週刊現代』(6.7)

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今日は『週刊現代』。主な記事はこんなところ。

①激論バトル オピニオン総力ワイド 各界20人あなたの選択――「それはなぜ」
自民か民主か第3の道か
②アメリカで味噌汁/町山智浩
③秋葉原「露出アイドル」逮捕"やらせ"NHKへの「公開質問状」
④二谷友里恵社長 家庭教師の『トライ』の勇み足
⑤熱愛発覚 でも本当は「エビちゃんが一番すき!」巨人・野間口と押切もえに冷ややかな目が

今週の現代で、読むならやっぱ①っすかねー。自民がいいか、民主がいいか、いろんな人がいろんな意見を言っておられる。

例えば、「田原総一朗 自民も民主も分裂、政界再編のキーワードはこれだ! 」とか「森永卓郎 今の自民は最悪、民主政権で「格差の緩和」を 」とか「吉本隆明 「二大政党制」で凡庸な政治家に九条改正されたらかなわない 」とか「雨宮処凛 「若者は政治に関心がない」と思ったら大間違いです 」なんて感じで20人ほど。

率直な感想として、こういったオピニオンワイドという企画はすごくいいと思う。今の社会って情報が氾濫しているけど、意見がない。だから、意見を前面に出す企画はいいんだけど、なんか人選が、定番というか当たり前というか、新味がないというか。例えば、「山田美保子 ワイドショー好き「オバさま」に受けるのは「福田」か「小沢」か 」この手のネタを女性視点からもというわけで山田美保子さんというのは、あまりに安直であまりに定番。もう、読む前からこんな意見でしょってのが、明け透けなんだよなー。田原総一朗しかり、森永卓郎しかり。このへんの人材不足は、なんとかしたほうかいいし、編集部としても、新しい人材発掘に頑張ってもらいたいと思う。なかでムルアカさんとかあったけど、あれはありかも。とにかくせっかくこんだけの人に訊けるんだから、人選頑張ってもらいたいっす。

さて、そんななか一番なっとくしたのは、「政治評論家『小沢一郎独走す』著者 浅川博忠 「最後の闘い」を挑む小沢一郎は改革者になり得るのか 」。このなかで、浅川さんが、小沢一郎の半生を簡単に述べて「小沢氏は政策よりも政局を得意とする政治家、つまり『永田町のケンカ屋』なのです」と言っておられるのだが、なるほどという感じだし、こういった印象を多くの国民も持っているんじゃないかなぁ。

個人的には、今の民主党が、世間で言われているほど選挙で圧勝するとは、とても思ってないです。「後期高齢者医療制度」にしたって、あの一件で民主が株を上げる要因なんてまるで無いしね。ああいうのって、なんで制度が実施されてから問題にするのが、意味不明。もっと国会で審議されているときに、政策論議を国民も交えて行なえないのだろうか。ベタベタな巣鴨のおじいさんに聞くといったロケも、国会で審議されているときに行なってこそ、メディアの正しい政策監視でしょ。もう3年も前に決まったことを、今から蒸し返して、それまでの税金を投入した事前準備なども含めて御破算にするのは、本当にナンセンス。民主もそれほど問題だと思うのなら、国会審議中に、国民にもっとメッセージを送るなりすべしでしょ。ね。ま、この企画でも言われているけど、とにかく目の前にあるものに「反対!」とだけ唱える政党には、なんの魅力も求心力もないですよ。

ま、そんなこんなでいろんな意見があるこの企画。ざっと目を通すと、自分の立ち位置が見えてくるかもだけど、「思ったより当たり前の意見が多いね」というのが率直な感想かもでした。

次②は、町山智浩さんのコラムで先週と今週に渡って紹介されていたファリード・ザガリアという人の『ポスト・アメリカの世界』という本が興味深いのでご紹介。この本は端的にいえば「アメリカ時代の終わり」を告げる本。世界一高いビルも世界一のショッピングモールも、世界一の旅客機も、世界一の投資ファンドも世界一の製油所も、もはやアメリカのものではないという現状を報告。世界一のカジノも今や中国のマカオだし、世界一の映画の都はハリウッドじゃなくてインドのボリウッドというところなんだと。要するに、アメリカが世界1位と思っているあらゆる分野において、世界中の国の伸張がすさまじい。こういった現状をきっちり見ることが、肝要である――って本なんでしょうね。この本、こういった視点もいいし、このアメリカが1位でないというものを、このように列挙する感覚がいい。データの羅列がメッセージになるという、売れる本のエッセンスを持ってていいねー。翻訳されたら読もうっと。

あとの③④⑤は、時間がないので同じ感想で。「どうでもいいっす」。

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