2011年

発表!「スゴブロ2011」ベスト20

発表!「スゴブロ2011」ベスト20

「スゴブロ2011」のベスト20を発表します。
 その前に、恒例ですが簡単に「スゴブロ」について説明しておきます。
 この「スゴブロ」のもとをたどると、04年に宝島社から刊行された『このブログがすごい!2005』という本になります。この本は、あまり有名でないけど面白いブログを紹介しようと作ったものでしたが、これをそれなりに支持してもらったので、じゃ毎年やろうかとなったわけです。
 それで05年、06年と本という形でやり、07年からはこの「スゴブロ」というサイトを立ち上げて、毎年ベスト20ブログを発表しています(このサイトに移行してからは、2月6日に発表)。

 このベスト20をどうやって決めているのか――。正直言って、順位は、それほど厳密なものではありません。「7位と8位の差は何だ?」と問われても、「なんとなく」です。ただ、このベスト20に選定する上では、念頭に置いている基準があります。それはだいたい以下の3つのようなものです。

  1. ニュースなどを取り扱う二次情報系のブログよりも、自身の体験や考えを綴る一次情報系のブログを優先して選ぶ。
  2. ごく一般の方が発信しているケースを優先的に選ぶ。
  3. 多くの人にとって参考になる要素が多いブログを選ぶ。

 今、ツイッターやフェイスブックが盛んで、一時期ほどブログが話題になることがなくなりました。でも、面白いブログは、毎年しっかり誕生しているし、そういったものを多くの人に読んでもらいたいなぁという気持ちは、昔も今も変わっていません。
 このランキングで多くの人が素晴らしいブログに出会えたら嬉しいな、と。また、作者の方に更新のモチベーションをちょっとでも高くしてもらえたら、これまた嬉しく思います。では今年もベスト20をどうぞ。(岡部敬史)。

*今回も『面白いサイトを見つけたよ。』の武田タケさんにご協力いただきました。タケさん、どうもありがとう!

≪1位≫ カクーカフェ

http://caqoocafe.jp/

「将来、カフェをやりたいなぁ」。そんな誰もが思い描きそうな夢を、とりあえずブログの中で実現させてしまおうというアイデアがとてもいい。手軽でちょっとした工夫なんですが、今までない魅力的なコンテンツになっていると思います。詳細はインタビューでどうぞ

カクーカフェ・バナー

≪2位≫ おしあげろ!

http://mopock.com/oshiage/

Jリーグ関連のブログは数多いですが、これほど各所に赴いてレポートしている人はなかなかいないのではないでしょうか。「いろんなチームの練習見学、試合観戦に通っていたりするのでそれらの感想などを写真を交えて綴っております」とあるように、贔屓のチームだけでなく全国津々浦々のチームを試合会場だけでなく、練習場にまで行ってその雰囲気を伝えています。さりげない記事ですが「いろんなチームの自動販売機(サポートベンダー)取り揃えてみました」などは、なかなか作れないであろう優れもの。スゴイです。

≪3位≫ カフェオレ・ライター

http://coffeewriter.com/

「映画、漫画、ゲーム、その他ニュースの話題を中心に、生きていく上で特に必要のない情報を紹介するレビューサイトです」という説明文で、だいたいを言い表しているブログですが、そのネタの完成度が高くとても楽しい。「囲碁のフリーペーパー『碁的』」がものすごいことになっていた」など話題作も多いなか、個人的には「ウザい文章が書きたい」が好きでした。

≪4位≫ Cool Ja本 世界で通用する日本本

http://hamazakikaku.blog136.fc2.com/

珍書プロデューサーを名乗る濱崎誉史朗さんが気になった珍しい本、バカな本、極端な本を紹介してくれるブログ。バカな本というのは、もちろん最上級の褒め言葉で、「この本を読んだ時、あまりの馬鹿馬鹿しさに失笑・苦笑・大爆笑し、人生で数回しかない笑い男泣きしました」などと、バカ本に巡り合えたときを回想するときには、最大級の賛辞を送ってやみません。とかく役立つ本ばかりが持てはやされる昨今だからこそ、この切り口は実に貴重だと思うのです。

≪5位≫ でんしゃのきもち

http://ameblo.jp/denkimo/

擬人化した電車の会話を通して鉄道の豆知識を教えてくれる秀逸なブログ。のぞみに戻るのが夢な新幹線500系くんを主人公に、バーのマスター新幹線0系、500系と対立している初代カモノハシ・新幹線700系など、各キャラクターも実に魅力的。鉄道マニアの生態を描いた「テツオタくん」シリーズも楽しく、見どころ満載です。

≪6位≫ わかったブログ

http://www.wakatta-blog.com/

ツイッターやフェイスブックなど新しいツールが注目を集めるこの時代に、<「人気ブログをつくる方法」を研究するブログです>と、「ブログ」を考えるコンテンツを作っておられる点にまず魅かれました。「ソーシャル時代において『ブログ』の重要性がさらに増す理由」や「『頑張って』の代わりに使える、7つの励ましの言葉」など、多くの記事に読み応えがあるのは、自分で咀嚼して自分の言葉でしっかり書いておられるからですね。ブログは自らコンテンツを生み出すのに適しているというご意見は、まさにその通りだと思います。

≪7位≫ カレー侍

http://blog.goo.ne.jp/boring-gtr-hero

世にたくさんあるカレーのブログのなかで、鮮烈な異彩を放っているのがこちらのブログ。カレーを食べに、カレー屋さんは当たり前として、カフェ、居酒屋、果てはスナック!(「武蔵小山『スナック コスモス』」まで潜り込んで食べている点が実にユニーク。「カレーを食べる」という大義名分であらゆるところに潜入するその行動力に拍手、拍手です。カレーという食べ物があらゆる飲食店のメニューになっていることを改めて知り得る貴重なルポ。カレー仲間との交流模様も楽しいです。

≪8位≫ カリントボンボン

http://d.hatena.ne.jp/neji-ko/

デザインはシンプルなデフォルトものだし、日記に一枚の写真もない日がほとんど。ほぼテキストオンリーなブログですが、そのテキストが素晴らしいなぁと。題材はOLである作者の日常ですが、「仕事への情熱はないけど無難に会社生活を送るために考え抜いたライフハック紹介」など、その思考法と文章のテンポがいい感じに男前で楽しいです。2011年1月3日には「はてな婚しました」とネットを通して結婚された報告もあり、なんだか読んでいるうちにファンになりました。

≪9位≫ 蕃塀マニア

http://banbeimani.exblog.jp/

「蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です」。こんな説明でもわかるように、神社の藩屏(ってそんな名前であることも初めて知りましたが)を扱うブログなのですが、そのネタの奥深さに驚かされます。初心者はカテゴリの「藩屏とは」から見るといいでしょうが、ここで見られる木造のものと石像ものとの違いあたりを読むにつれ、次第に藩屏ワールドに引き込まれます。誰もが何気なく目にしている塀にこんな奥深い物語があったとは。。。圧巻です。

≪10位≫ 虚構新聞

http://kyoko-np.net/

『流出した尖閣ビデオ、見ないで』 政府呼びかけ」や「『適材適所』の鳩山前首相、尖閣諸島に永住へ」など、「まさか!」と思うような嘘ニュースを配信して、世間を驚かせ続けたブログがこの『虚構新聞』。これまでも同様の企画はあったものの、そのホントのような嘘話を作るセンスが抜きんでているのではないでしょうか。「嘘か!」と思った後、頭にくるというより「ワハハ!よく考えたな!」と、座布団一枚あげたくなる爽快さがあるのです。

≪11位≫ マンガ食堂

http://umanga.blog8.fc2.com/

「料理マンガ......というより、マンガのなかに出てくる料理に興味津々です」という作者が、漫画に出てきた料理を再現した模様をレポートしてくれるブログなんですが、その頑張り具合に惚れ込んでしまいます。「『美味しんぼ』(雁屋哲/花咲アキラ)の汲み出し豆腐とザル豆腐」を紹介するなら、まず漫画の紹介をして、その後、自分でレシピを調べたりして調理。そして完成品を食べて漫画の登場人物との感想とも比較。これをきれいな写真とともにお届けってですから、もう素晴らしい! 取り扱う漫画も幅広くって、たくさんの人に楽しんでもらえる秀作ではないでしょうか。

≪12位≫ 編集者の日々の泡

http://blog.livedoor.jp/editors_brain/

仕事柄、編集者のブログはよく読みますが、今年いちばん熱心に読んだのがこちらのブログ。昨今、話題の「電子書籍」ネタはもちろん、注目の書籍、メディア展望など幅広いネタで、考えさせてくれる文章を定期的にアップしてくれます。本の現場で起こっている生の情報、一歩踏み込んだ考察を知りたい人には、お勧めです。

≪13位≫ 誤訳御免!!

http://japancool.sblo.jp/

外国人がインターネットで日本についてどのように語っているのか。その様を海外掲示板を翻訳することで紹介してくれるのがこちらのブログ。「外国人が日本人の考え方や文化を理解したい人に薦める本や映画とは?」や、「中村俊輔スペイン移籍に別れを惜しむセルティックサポーターの声」などでは、一般メディアでは知ることのできない生の声に接することができる。日本のオタク文化に対する感想も豊富です。

≪14位≫ 知恵の輪の環

http://blog.goo.ne.jp/ring-solver

「知恵の輪って、昔はよくやったけど近頃ご無沙汰」という人にもぜひ見てもらいたいのがこのブログ。知恵の輪といえば、曲がった針金のようなもので作られていると思いきや、実に多種多様で美しいのです。そのあたりを「自分だけの知恵の輪大賞2010(その2)」や「自分だけの知恵の輪大賞2010(その4)」で見てみましょう。知恵の輪の講習会もされている作者の方が案内してくださる知恵の輪の世界はとても深遠で楽しそうなのです。

≪15位≫ TuiTui

http://tuitui.jp/

ついつい見てしまうような小ネタや実験企画を定期的にアップしてくれるのがこの『TuiTui』。「ストリップを見に行ってきた(女だけど)」など、ついつい読んでしまって面白企画を楽しみにしていたのですが、2010年10月2日に「ちょっとだけお休みのお知らせ」が......。取材費100万円の獲得を目指して始まったオンラインショップの収益が3400円で止まったままなのもその要因なのでしょうか......。再びの更新待っています。

≪16位≫ 小学生映画日記

http://d.hatena.ne.jp/marley2002/

2002年生まれの女の子・マーリーちゃんが鑑賞した映画を、可愛いイラストとともに紹介してくれるブログ。「グーニーズ(The Goonies)」など、懐かしい映画も観ていて、子どもがいる家庭ならいっしょに観たい映画&DVD案内になっているのもいい感じ。パパのコメントもほんわかして楽しいですね。

≪17位≫ リターンライダー = [路麺プログラミング ZRX1200];

http://kevin99.cocolog-nifty.com/mydiet/

立ち食いそば屋をバイクで探訪した記録を綴るブログ。その膨大な訪問リストは、「立ち食いそば探訪-バイクの蕎麦道 まとめサイト」で見てもらいたいのですが、ユニークなのは、この作者がそば屋を巡ったデータを「蕎麦道なび」というアプリにしているというところ。「iPhone 対 アンドロイド 開発者メモ書き」などで、開発者ならではの考察も見ることができて、こちらも興味深いです。お蕎麦のアプリ、ダウンロードして使ってみましたが、実に便利でした。

≪18位≫ 遊んで学ぶお父さん

http://asomanaotosan.blog3.fc2.com/

世の中のお出かけ情報は、デート仕様のものが多くて、子どもネタはあまり多くありません。そこでお父さんやお母さんのブログがとても役立つのですが、そのなかでも秀逸なのがこちらのブログ。「長い滑り台で遊びたい!」や「ゴム銃を作ろう」など、面白そうな遊びについて詳しく教えてくれます。

≪19位≫ しびれくらげ

http://d.hatena.ne.jp/fou/

日常に起こった何気ない出来事を、短文ながらも面白く書き綴ったエッセイ。というかネタ帳のような雰囲気をもった不思議なブログ。その魅力は説明しづらいので「堕落」とか「ついてない」などを読んでみてください。なんかラジオの深夜放送を聞いているような感覚に浸れます。

≪20位≫ AppBank

http://www.appbank.net/

面白いもの、新しいものになかなか巡り合えないiPhone&iPadのアプリを、わかりやすいレビューで紹介してくれる超お役立ちサイト。時代のニーズにガッチリ合致した優良コンテンツは、2011年の主役になるように思うのであります。

NAVI