今年のスゴブロ１位に選んだのは『ケツダンポトフ』なるブログなのだが、まず驚いたのはその行動力だ。
「決断インタビュー」と題されたコーナーでは、堀江貴文さんやムッシュかまやつさんをはじめ30人を超える人物の「決断」に迫ったインタビューをアップ。
また「記者会見生中継」では、鳩山内閣の閣僚である亀井静香さんの記者会見の模様を。「イベント生中継」では、東京ゲームショーなどの様子を現地からレポートしているのだ。

このブログが始まったのは、09年の５月。まだ１年も経たないなかこれだけの現場に赴いていること自体に目を見張る。いったいこのモチベーションはどこから湧いてくるのだろうか？　なぜ「決断」について訊いているのか？　そう思ってブログのあちこちを見ていたら「LIVE」と記されたウインドウから、このブログの作者と思わしき女性の仕事風景がリアルタイムで配信されているという摩訶不思議に遭遇。
　とにかくいろいろ惹かれるのだが、わからないことだらけなので、インタビューさせていただくことにした。2010年１月19日。場所は、新宿のとあるビル。対応してくださったのは、このブログの作者である「そらの」さんだ。

＊

まず、このブログが始まった経緯からお聞きした。
「この『ケツダンポトフ』はもともと弊社で運営していた『決断.Com』というＳＮＳサイトへの導線として始めたものです。このＳＮＳサイトは、決断に迷ったユーザーの投稿に対して、別のユーザーが助言をしていくＱ＆Ａサイトのようなものですね」

ツイッターなどで使われている「そらの」さんのイラストキャラ。天使っぽいのは『決断.Com』ってサイトがベースにあるからなんですねぇ

たとえば「初デートに行くのは映画か遊園地。どっちがいい？」なんて投稿に対して、いろんな人の助言が集まる。こういった迷いと助言が集積すれば、いろんな人の指針になりえるのでは――こういった発想で始まったのが『決断.Com』というサイトのようだ。そのサイトにユーザーを呼び込むための発信地が『ケツダンポトフ』で、これを書いているのが、運営会社「ソラノート」で広報を担当している「そらの」さん。ちなみに『ケツダンポトフ』とは、いろいろな人の決断がごった煮（洋風に言えば「ポトフ」）のように集まっていることをイメージして名付けたという。

「ただ『決断.Com』は、残念ながらユーザーが増えなかったため今月（2010年１月）の末をもってサービス終了になり、弊社のコンテンツは『ケツダンポトフ』だけに絞ることになりました。ただ、『ケツダンポトフ』の出発点が『決断.Com』だったことは大切にしたいので、これからも『決断インタビュー』は引き続き行なっていきます。このインタビューでは『大きな決断をしたことがありますか？』と訊いていますが、ジャレコの加藤さんと、山本一郎さんが大きな決断として『結婚』とお答えになったことが印象深かったですね」

なお、このインタビューでは、取材対象者を「お友達紹介方式」で選んでいる。インタビューした人に「誰の決断が聞きたいですか？」と訊き、その答えによって次のインタビュー対象者にアポをとるわけだ。ただリクエストされるのは、すべて友達というわけではない。憧れの人の場合もあるし、なかには「新宿駅前でいつも座っているホームレスの人の決断が聞きたい」という場合もあったという。こういったリクエストに「アポを取ってみます！」と、躊躇することなく連絡して、現場に赴く「そらの」さんの行動力こそ、このインタビューの大きな面白さのように感じる。

この「決断インタビュー」とともに、『ケツダンポトフ』の大きな柱となっているのが「ダダ漏れ」と称される生中継コンテンツだ。